蛍光灯の上手な使い方

蛍光灯とLEDの違い

 LED電球といえば、今は省エネの救世主的な扱いとなっています。これまで省エネと言われていた蛍光灯とLED電球を比較して、それぞれの違いを見ていくことにしましょう。  そもそもなぜ、LED電球は省エネなのでしょう。LED電球に使われる発光ダイオードは、半導体素子のひとつ。この発光ダイオードは、電圧を加えると光るという特性を持っています。そして電圧を通して放電し、紫外線を発生させ、それを可視光線に変えています。電子部品そのものが光る発光ダイオードは電気効率が良く、無駄なく光を発するため、蛍光灯よりもさらに省エネになるのです。蛍光灯に比べて、同じ明るさを得るために必要な消費電力は10分の1程度で済むのです。そして長寿命設計ですから、買い替えの回数が減ります。というのが、これから出てくるであろうLED電球の長所です。今はまだ、10分の1で同じ明るさ、というのは無理がありますし、長寿命というのもあくまでも発光ダイオードの寿命です。100ワット蛍光灯の消費電力は実際には18ワットの電気を使います。100ワット相当のLED電球は、商品によって異なりますが5ワットから10ワット程度のものが多いようです。実際には蛍光灯の半分以下になっていない商品もたくさんあります。そしてLED電球は部品が多いのですが、それらの部品がどこまで長持ちするのかは、まだ分かりません。
 LEDにもやはり欠点があります。まずは、なんといってもまだ値段が高いという事です。これは普及していくに従って解決しそうな問題とは言い切れません。LED電球は部品が多く、製造工程も多いため、コストダウンが計れても、蛍光灯より手間なく作れるということはまずありません。コストダウンされていっても、限界はあるということです。そしてLED電球が普及しきった後、本当に設計通りの長寿命が実現すれば、やがて販売数は先細りし、量産によるコストダウンは期待できなくなります。
 また、LED電球はちらつきのある製品があり、人によっては照明をLEDに変えてから目が疲れるようになったという人もいます。蛍光灯は直線型の灯りを出すので、小さなタイプの蛍光灯は電気スタンドで主流になっています。今はインバーター式のものがほとんどで、ちらつきもなく、蛍光灯は作業や勉強などには最適なものです。今はまだ、LED電球の品質は不安定です。目を酷使するような場所には使わないほうがいいかもしれません。それから蛍光灯に比べて、物理的に重いというのもLED電球の特徴です。ですからカバーのない直管蛍光灯を、LED電球に交換した場合、落下の危険が出てきます。そのため照明器具そのものを交換しない場合でも、落下しないよう工事が必要になります。
 先ほど白熱電球と蛍光灯を比較した際にもお話しましたが、白熱電球に比べて光の指向性が強くなっています。そしてLED電球は、蛍光灯より更に光の指向性が強いのです。というよりも1方向しか照らせない光なのです。LED電球はほんのり周辺を照らすということが大の苦手な電球なのです。LED電球を吊り電球で利用すると真下を照らし、天井を照らしてくれないので、蛍光灯や電球に比べて照明が「暗い」と感じるのはこのためです。

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