蛍光灯の上手な使い方

蛍光灯の危険

 ゴミの分別では、蛍光灯には水銀が含まれているため危険物としてゴミ出しをするように指定されている地域がほとんどです。ですから誰でも、蛍光灯には水銀が含まれているというのは耳にしたことがあるのではないでしょうか。それでは蛍光灯の水銀は、人体に影響が出るレベルのものなのでしょうか。まず、蛍光灯は、体温計に使われるような液体の状態で利用されているわけではなく、金属として利用されています。割れない限りは人が吸い込む心配はありませんし、仮に蛍光灯を割ってしまったとしても、吸収してしまう危険があるのはそのときに蒸発しているごく一部だけ、誤って10本や20本、一度に割ってしまったとしても、水銀中毒になるような量はありません。(もちろん安全という意味ではありませんよ、念のため)
 また、水銀以外でも蛍光灯の危険はあります。蛍光灯は構造上、蛍光管の中は真空になっています。ですから割れてしまうと、周囲との気圧差のせいで爆縮します。蛍光灯が割れるときは爆発する、といわれることがあるのは、このせいです。もちろん必ず、爆発したように粉々に割れるとは限りませんが、破片が飛び散りやすいというのは危険なことに違いありません。
 放電中の蛍光灯は紫外線を出しています。シミやそばかすの原因になる紫外線は女性の敵で、そして目に悪いというのはご存知ですよね。蛍光灯には蛍光塗料が塗られているため、蛍光灯を直視しても紫外線が目に当たる危険はまずありませんが、その中身な実は結構危険なものなのです。
 といっても普通に、使用法を守ってさえいれば蛍光灯が危険という事はありませんので、過度な心配はしないほうがいいでしょう。ちなみに蛍光灯に塗られている蛍光物質には放射線物質が使われているという話も聞いた事があるかもしれませんが、現在販売されている蛍光灯では使われてはいませんのでご安心を。
 ちなみに危険な蛍光灯ではありませんが、LEDの誤解による危険な話をひとつしておきます。直管蛍光灯と同じサイズの、LED蛍光灯が販売されています。これを蛍光灯用の電気器具にそのまま使ったらどうなるのでしょう。グロースターター型の蛍光器具であれば、グローランプを取り外せば利用することは可能です。ただし安定器の分無駄な電力が流れてしまうため、省エネ効果が薄れます。電気屋さんに安定器を外してもらえば、安心して使えます。ラピッドスタート型とインバーター型は、配線工事を行うか、器具を交換しなければそもそも利用できません。どちらも、LED蛍光灯に変える前に、照明器具を交換するか配線工事が必要です。工事と言っても安定器を外せばいいのですが、電気工事ですので、自分では行わないで下さい。仮に安定器をつけたまま使い続けるとどうなるのかというと、そもそも灯りが付かなかったり、長寿命のはずが半年も持たずに使えなくなったり、煙が出たり、発火してしまったり。場合によってはLED蛍光灯そのものが落下することもあります。きちんと説明書を読んでいればいいのですが、残念ながら日本人は、説明書を読みたがらない人種なのだそうです。困ったことやトラブルが起こってからようやく説明書を探し始める訳ですね。そんな訳で、実際、かなりの数事故の報告が上がっています。これから蛍光灯をLED蛍光灯に変えるのであれば、工事不要のタイプであってもきちんと説明書には目を通してくださいね。

↑ PAGE TOP